oreno_michiyuki

自叙伝を書き記したく始めました(2022年10月~)。自叙伝と知的生産による社会や歴史の弁証法的理解が目標です。コメントも是非お願いします。 ライフワークの「おうちご飯」もどしどし載せます!

雑記(その3)

 「ブーム」や「流行」があらゆるメディアで作り出されて、そこに消費者が押し寄せる。消費者はわかりにやすいものでないとダメなので、「女性人気」「女性一人でも入りやすい」などといったかたちであらかじめ価値を規定し、享受するべき感性を付与されているのが常套のパターンでもある。タピオカ、いちご、町中華ブームとかいろいろなものがブームになって(されて)は廃れて、数年後にはまた、その良さを再発見したなどといってブームとなる。(自分たちでブームを作って、廃れさせて、そのうえ再発見した!などというのだから、その図太い精神にはほとほと呆れる)

 「ブーム」なんて所詮儲けたい人が作り出すものにすぎないのだが、何も悪いことだけではないのではないかと最近思うようになった。たとえば、使い道がなくて取り壊すしかない長屋を再利用して喫茶店にすることで資源の再活用を行う。昭和レトロが流行りだと喧伝することで、新しく物を生産することなく価値がなくなったものに再度価値を付加する、といった方策もある。

 「最小限の生産と価値の再付加」が限界を迎えていると言われて久しい資本主義の次のステップの一つの態度ではなかろうか。

 こういった流行の創出がごく一部の人間の儲けのためになされるのであればなんとも醜悪だし、そういう側面はどこにでも付きまとうのだが、いいかたちで再分配につなげられるのであれば、「ブーム」や「流行」という言葉の軽薄さだけで拒絶することは可能性を狭めてしまうなと最近反省している。